〜日記のようなコーナー〜

読むだけでノドの奥がググッとくる張り紙

     
2008年7月8日
近況2
           
去年、初めて「イイヅカ・サトコ 石版画展」と銘打った個展を開催し、
これを私の「石版画家宣言」と受け取った方もいらっしゃるかもしれない。
しかし私としては、ここ数年、石版画を続ける意味を見いだせずに居た。
             
個展にお越し下さった方々にも励まされ、
もう少しがんばってみよう、と思って個展の後も一年間続けたが、
やはり、あいかわらず、というより、ますます、
石版画を続けて行く気力を失ってしまった・・・。
          
大きな理由のひとつに、相次ぐ版画専用画材の生産中止。
ここで思い出すのは、以前に書いたプリントゴッコの消耗品の大幅値上げの件だが、
値上げの時点で、プリントゴッコでの制作が欠かせない人達は、
大量の買い占めに走ったそうだ。
               
しかし石版画の材料の生産中止は(世界一石版画が制作されているであろう)ヨーロッパの、
石版画が生まれた国を始めとした世界的な話で、買い占めで解決できる問題ではない。
            
それに・・・買い占めてどうなる?
もしも買い占めをするとしたら、自分のこの先、一生制作し続ける分をストックし続けるのか、
あるいは工場が生産中止を踏みとどまるきっかけになるほど儲けさせるかしかない。
そんなことが、たとえば美学校で制作している4〜5人でできるものではない。
           
              
そこで考えるのは、私は一生、石版画を続けるだろうか?
答えは「ノー」である。それは、以前から変わらない。
重たい石を持ち上げ続ける体力の問題を抜きにしても、だ。
         
私は石版画が楽しかったからやっていたんであって、
この「伝統工芸」を保存するためにやっているのではない。
           
でも、まわりの人からは「石版画家」としてやっていくんだろう、と
思われてもしかたないくらい、ちょっと長く続け過ぎた。  
しかし、石版画をやめるタイミングがなかなかつかめない。
美学校が無くなったらやめよう、と思っていたが、意外につぶれず保っている。
           
師匠が元気に石版画の制作を続けているのに、弟子が先にやめるのは失礼だ、
と思っていたのも、やめなかった理由である。
           
ところが最近は師匠も銅版画や、モノタイプ* を中心に制作されているようだ。
(*版面に絵の具で描いて乾かないうちに紙をあてて写し取る。一枚こっきりの版画)
もう良いかな・・・・って思った。
でも、師匠にはまだ何も報告していない。
            
          
油絵を描いている人は、非常に多い。
国内、いや東京都内だって、数え切れない。
それに比べたら、石版画をやっている人は非常に少ない。
それだけで随分珍しがられたものだ。が、それは石版画が珍しいだけで、
全然私の個性ではない。
          
私から石版画を取ったら何も残らないなんて、嫌だ。
今後20〜30年、どうやって表現していくか、早いとこ考えなければいけない。
           
           
ちなみに、美学校の工房は、一応まだ存続しているので、連絡の上、見学可能。
私も戻ろうと思えばまだ戻れる・・・はず。
お気に入りの石は今Mちゃんが大事に使ってくれてるので、
放置されて傷む心配もない・・・はず。
           

     
2008年7月7日
近況1
           
なんとなく忙しい。仕事は暇なのだが、それ以外が。
・・・って、ここ数ヶ月ずっと同じ事言ってるけど。
とくに先月、今月、と友人知人の出演イベントや、食事のお誘いが多いのだが、
日程が重なってしまって、どちらかをお断りすることになり、
じつに「もったいな〜い」気分。
最近はやりの「MOTTAINAI」はこんな使い方じゃないけどさ。
        
近所で見かけた横断中のヘビ。東京で初めて見たので、
へぇ〜!いるんだ〜〜と思ってつい撮ってしまった。
空中庭園(ブロックの穴を利用しているらしい)
           

        
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