石っとこ!

石版画のしくみ

(1)おおざっぱに言うと
石版画用の石(石灰岩)は水をよく吸い込む。
その表面に油性のクレヨンで絵を描いて薬品を塗ると、
水を吸う所」と「水をはじく所」ができる。
水をはじく所に油性のインクがくっつく。
周りの水で濡れてる所には、インクはくっつかない。

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(2)科学的に言うと
保水性のある多孔質の石灰岩(炭酸カルシウム)を版にして、
脂肪性のインキや耐酸性の脂肪クレヨンで直接絵を描き、
上からアラビアゴムと硝酸を混合した弱酸性溶液を塗ることで
石灰岩に化学変化を起こさせる。
クレヨンで書いた部分には脂肪と硝酸が反応して脂肪酸ができ、
脂肪酸は石灰岩の中のカルシウム(アルカリ性)と反応して
油性インクの乗りやすい脂肪酸カルシウムができる。
一方クレヨンで描かなかった部分には、
水を保つアラビアゴムの皮膜ができる。
石灰岩に水をたっぷり乗せ、ローラーで油性インクを押し付けると、
クレヨンで描いた部分にはインクが乗り、
描かなかった部分は親水性の皮膜によって水が油性インクをはじいて、
結果クレヨンで書いた部分だけにインクが残る。

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