2009年イイヅカ・サトコ石版画復活への道-14
加筆(製版済みの石版画に後から絵を描き加える)

             
2009.7.6.
↓小さな石に描画。
        
↓石の表面をカッターナイフで削って白い毛を表現。
(南米のアルマジロは甲良に毛が生えているのです!)
カッターを使うときの注意は、
クレヨンを完全に削ぎ落とす事と、あまり深く石を傷つけると、
かえってそこにインクが詰まってしまい、汚れの原因になる。
いつも通り、第一製版の後、一晩おいて第二製版。
          

          
2009.7.8.
↓第二製版が終わってるので、もう刷れるんだけど、
なんか前足が気に入らないので描き直そうと思う。
アラビアゴムを水で洗い落とし、不要部分をカッターで削り取る。
↓酢酸を塗る。(強烈な酸っぱい匂い!)
↓やばい!絵まで消えてしまった!
↓石を良く水洗いして乾かし、クレヨンで描き足す。
最初に戻って、第一製版、第二製版をやりなおす。
           

         
2009.7.13.
↓完成。試し刷り2枚本刷り16枚。
普段は「BFK」や「アルシュ」といったフランス製の版画専用紙に刷っているが、
今回は引っ掻いた線をハッキリ出したかったので、よりツルっとした「ケント紙」に刷った。
         
リトグラフは平らな紙ならだいたい刷れる。というわけで、新聞紙に刷ったりとか・・・
         
調子に乗ってコルク板なんかに刷ってみたが、厚みがあって柔らかいため、圧のかけ方に失敗し、
タンパン(版と紙の上に載せて保護しながらスクィジーを滑らせるプラスチック板)
を傷つけてしまった・・・
       
他にも、昔、花びらや葉っぱを漉き混んだ和紙に刷って、石を割ったことがある。
凹凸の激しい紙は、圧力が一点に集中してしまい、負担をかけるようだ。
また、布のように目の粗い物は、せっかくの描画の効果
(クレヨンの線のカスレや砂目など)が再現されないので、刷っても面白くない。
紙以外の物や、凹凸のある物に刷りたい場合は、シルクスクリーン(孔版)をお奨めする。
        

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