〜日記のようなコーナー〜

2000年12月30日
現実は困る。
10月の日記が思いがけず長くなったのは、久々に映画を観た(最近すぐビデオになるからあまり積極的に出かけてない)のと、パレスチナがあんなことになったので、どっちも話したくなったから。でも、後で読んでみたら、いくら事実に基づいた悲劇とはいえ、映画の話しと、今現在起こってる戦争とがゴッチャになるとマズイな、と思ってあわてて2項目に分けた。
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最近とても気にしていることは、戦争のことばかり書いていると、戦争が好きな人と思われやしないか、ということだ。アンチ巨人の人が、妙にジャイアンツに詳しいのはじつはファンなんじゃねーか、と疑われるみたいな。
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「戦争展」というのを毎年8月15日あたりにやっている戦争体験者(つまりジイさん)絵描き団体があるのだが、右翼の人が見に来てとても喜んで帰っていったらしい。どこをどう間違うとそうなるのか。あーアブナイアブナイ。
2000年12月29日
またまたまたウカマウ映画(こうゆうの「ハマッてる」って言うのも何だが)
なにしろ貴重な「自主制作&上映」で、1本が5日というサイクルで、舞台がペルー&ボリビアで、先住民が主役で、、、、と言ったら観るしかないっしょ?くわしいことは現代企画室という出版社のページで。
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それにしても、「人民の勇気」はちょっとツラすぎ。やたらと兵隊が坑夫を撃ち殺す映画だった。わけわかんない。途中うっかり寝てしまったからますます話しがわかんなくなった。何しろ殺しまくり。悲惨すぎ。それなのになぜ寝てしまったのだろう?大音響(爆発音)が続いて耳がマヒしてきたのか、悲惨画面続きで眼がマヒしたのか。
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鉱山労働者が、賃上げなど権利を要求するストを行ったら、軍隊があっさり虐殺してしまった、という実話の再現なのだが、最も驚いたのが、これが起こったのが1967年で、たった30年かそこら前のことなのだ。もう私生まれてたじゃん!!!ていうのがショックだった。
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ドミティーラ「私にも話させて」(インディアス群書/現代企画室)を映像化するとやっぱこんなかんじなのかも。この本を読んだときもずいぶん胃が痛くなって困った。
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「観ておくべき映画」かもしれないが、私には「観なきゃよかった映画」でもあった。

2000年12月28日
またまたウカマウ映画
10月のトークショーで「シネマ下北沢で12月にまとめて見れる」と予告を聞いていて、まだまだ先かと思っていたが。 あっという間に12月になってしまった。
午後からの回はこのまえイベントで見た「地下の民」と「鳥の歌」なので、10:30からのモーニングショーを見る。道に人が並んでいるから「えっ!混んでる?」と思ったら、窓口が開いてなくて中に入れないだけであった。入って席についたらいきなり上映はじまってしまった。早い。
「ウカマウ」は仲買人に妻を殺された男が復讐するまでなんだが、前に見た何本かは同じ「復讐」でも村人みんなで「立ち上がれ!!」って感じだったのに、この主人公は村の仲間には何も語らず静かにチャンスを待っている。「いつになったら殺すんだ?」と気が気じゃなかった。ちょっと日本人的だと思った。「必殺」みたいな。いや、ちゃかすような内容では全然ないが。ストレスのたまる映画だ。
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「コンドルの血」は、前回遅刻して半分しか見られなかったのでリベンジ。
アメリカ人の医療団が「後進国」の産児制限を勝手に行う。それに抗議した村のリーダーが役人に撃たれる。町の病院はベッドを貸すだけで、薬も輸血の血液も買わねばならなくて、弟が奔走する。
心底辛くなってしまう映画だった。とくに弟がどうしても金の工面ができず、泥棒しそうになるところなんか、切なくて胸が苦しくなった。なぜか吐きそうになった。
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グリンゴ(スペイン語で「アメリカ人」の蔑称。私の友達もよく使うのでつい私も使ってしまう)の話す英語なまりのスペイン語はムカつく!!
だって白人の態度って今だにそうなんだもん。こっちがオマヌケ日本人だと思って(しゃべれないがヒアリングは適度にできんだよっ)平気で目の前で悪口言うし、黒系褐色系の人はアゴで使うし。あ、でも日本人でもアホ警官や入国管理官もヒドイ態度だよな・・・。ああああ、この話しはじめると長くなるのでやめとこう。
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話し替わって10月のサンヒネス監督への質疑応答でひとり失笑を買ってるひとがいた。もちろんその後発行された「鳥の歌」のパンフレットからもそこの部分はカットされていた。
「宮崎駿のアニメをどう思いますか」
というのだ。さっきまでボリビアの映画事情はあまり良くないって話していたろ!
「残念ながらそれは見ていませんが、クロサワは見ました」と監督は無難に答えていた。いいひとだ、と思った。

2000年12月23日
クールベの「海っ!」
絵描きなんだからもっとマニアックな名前を出せばいいのに「好きな画家は?」ときかれると、クールベ、ドラクロア。と答えてしまう。フツーだ。フツーすぎる。少し考えてピカソのモモイロの時代の、とか言うこともある。シャガールも好きだが答える相手によっては鼻で笑われるから言わない。いや、鼻で笑うような相手に自分の好きなものなんか教えたくないけど。
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上野の西洋美術館の「松方コレクション」(常設展示)の中にクールベの「海」がある。見に行くたびに必ずそこで足をとめてしまう。なにしろものすごく「海っ!」なのだ。「吸い込まれそうな」とか「襲いかかってきそうな」とか、初めて海を見た人がビビって言うような、心の中にある海だ。
クールベという19世紀の絵描きは「写実主義」と呼ばれたひとで、見たままを描くのにとにかくこだわった人だ。でもムカシの絵って今みたいなわけわからんのじゃなくって、みんな見たまま描いてるじゃん?って思うのだが、じつは昔の絵は、人のヌードのくせに「女神」とか、つまりテーマが現実じゃなかった。それが絵描きの役割であり、それで食っていた。しかしこのクールベというおっさんは「見たこともないもんは描けん!」と言って依頼を断ってしまった。そこが「写実主義」と皮肉を込めて呼ばれたポイントだ。
クールベの絵で、もっと好きなのが「こんにちわ!クールベさん」という、村人がボウシをとってあいさつしてるだけの絵(でもリアル)で、これなんか画壇で「ふざけるな!」と大ブーイングだったらしい。ブラボー!
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ドラクロアや、その他の好きな絵描きについてのお話はまたおいおい。

2000年12月19日
行け行け!タモリ
タモリのジャングルTVを見てたら「鮭のチャンチャン焼き(漁師の人がよく食べる豪快な料理)」をやっていた。すかさずタモリが、コンパイ・セグンド(キューバの歌手で映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」に出てた94才のじいちゃん)の「チャンチャン」を唄っていた!しかも会場内、誰も気づかなかい!うれしすぎるぞ!突っ走れラテン道!
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スマスマでビートルズ・メドレーをやっていたら、中居クンの歌がうまいく聞こえてびっくりした。歌と歌い手がぴったり合うと、意外な力を発揮するものだなあ!

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