- 〜日記のようなコーナー〜
- 2001年2月24日
- 韓国ブーム?
- 「韓国の詩を読む会」というのに行ってきた。私の友達が韓国語の原詩と日本語訳詩の両方の朗読をしたのだが、ほかの出演者達は韓国語を日本人が読んだり、その逆だったり、実験的にいろいろやっているみたいだった。在日韓国人の人達は、もとより日本語ペラペラだし(3世ぐらいになると、日本語しか知らない人も多い)私には韓国語の善し悪しがいまひとつ解らないので、どっちがどうなんだか全然わからなかった。
詩の朗読というのも、若いころは「ヘンな人達」とちょっとヒイてしまったものだが、最近はパフォーマンスとして楽しめるようになった。単調だと寝ちゃうけどね。
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- 途中、余興で、(というかこっちの方がプロなんで、メインエベントと言ってもよいが)韓国のタイコを打ち鳴らしながら踊るのを見た。カッコよかった!!!!「チンドップ」と呼んでいたが、チンドは地名の「珍島」で、タイコは「プッ」なのらしい。小太鼓を腰に結びつけ、太いバチで両手でウラオモテはさみ打ちをする。白い衣装の女性が、激しく打ち鳴らしながらクネクネ踊るのは、まるで地縛霊みたいな凄みがあった。
- 「チャンゴ」というタイコは、ツヅミをデカくしたようなので、箸みたいに細いバチで叩くから、高い音がする。2人の女性が腰にチャンゴを縛りつけて鏡みたいに同じ動きで踊る。こっちは天女みたいな優雅な感じ。本当は鐘とか笛とかがいくらか入るようで、人手がないせいか、狭いせいか、カセットテープだった。チンドップの方はタイコだけのシンプルなものだった。タイコだけでさまざまな音を出して表現し、たまに笛がちょっと入るぐらい、というのは、日本の祭りと同じだなと思った。
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- ところで私はひそかに「ここがヘンだよ日本人」に出ているリュウ・ヒジュン君のファンなので今年度は「ハングル講座」をずっとビデオ撮りしていたが、初回からいきなり意味不明だった。あきらめて聞こえたとおりに暗記したら、夏に日韓展で来日していた画家さんに発音をほめられたので少し調子に乗ってしまった。
- 電車の中で友人と「韓国語で、おじいさんのことをハルボジという」なんて話しをしていたら、横にいた知らないおじさんに睨まれた。「おじいさん」が気に障ったのか、「韓国語」が気に障ったのかわからない。チマ・チョゴリ(韓国の女性の衣装。朝鮮学校の制服はこの形をしている)を着ていると石を投げられるといった差別がいまだにあるらしいが、それを少しだけ感じた瞬間だった。日本と韓国を「近くて遠い国」と言った人はウマイなあと思う。韓国モノ(カルチャー全般)には手を出すべきかどうか正直ちょっと迷っている。「重く考えすぎ〜」という場面にはこれからもっと出くわすだろう。
- 2001年2月20日
- テルアビブのバス停(2)
- イスラエル兵の行列に突っ込んで行ったバス運転手のはなしの続き。
彼はやっぱり「イスラエル兵を殺してオレも死ぬ」と数日前から言っていたようだ。かといって、テロリストだったわけではなく、ごく普通のバス運転手だった。このところの紛争で、道路封鎖続きで、まったく仕事にならず、失業状態だった。
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- パレスチナ自治区が海外と直接輸出入の取引はイスラエル政府によって禁じられている。
輸入されないからモノ不足だし、輸出できないから外貨不足だ。自治区とイスラエルとの経済格差はかなりキていた。モノが欲しいときは、イスラエルから買わないといけない。
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- むこうに居たとき、アラブの国なのにガソリンがえらい高い(リッター1ドルだったから、日本より高い。)のでヘンだなあ、と思ったら、そういうしくみだった。
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- 経済的に困ったパレスチナ人は、イスラエルへ「出稼ぎ」しないとならない。イスラエルという国の中にパレスチナという植民地がある、と考えるとわかりやすい。
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- ややこしい話しになってしまったが、バス運転手のはなしにもどると、そんな「出稼ぎ」の人々をいつも運んでいたのが彼だった。すべての失業者の怨念みたいのを、バスに乗せてしまっていた。いや、そんなふうに美化する言い方はイヤなんだが。なんにしてもやりきれない話しばっかで・・・。
- 2001年2月18日
- テルアビブのバス停
- パレスチナ人の運転するバスがイスラエル兵の行列に突っ込んで7人死亡。
そのテルアビブのバス停には見覚えがあった。
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- エルサレムの端までローカルバスで行き、そこから長距離バスに乗り換える。イスラエルの首都テルアビブの街は、完全にヨーロッパだった。高層ビル、特急電車、広い道路、美術館通りの歩道にはオブジェ、各国の大使館や企業はここに集中する。ごく普通の都市だ。ただ、パレスチナ人に言わせれば「入植者が我々の家を破壊した上に建てたもの」なのだが。
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- テルアビブからエルサレムに帰るとき、そのバス停で若いイスラエル兵達と混ざって並んでバスを待っていた。 軍事的な?宗教的な?細かい事情は知らないが、彼等は首都テルアビブと聖地エルサレムの間を、普通のバスでしょっちゅう行き来しているようだ。単なるバス待ちとはいえ、兵隊の行列は確かに威圧的でイヤな感じだ。突っ込んだバスの運転手は「特攻隊」のような気分だったのだろう。
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- 若い兵士達はそれぞれガムをクチャクチャさせたり菓子をほおばってたり、談笑してるが、肩に担いだ銃は本物。安全装置はかかってるんだろーが、こっちの肩に触れそで触れない。ゾゾゾォ〜である。
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- ベンチのすみっこにやや頬を赤らめた(ま、色白だから赤ら顔ぎみだが)兵士が、花束を持って座っていた。「恋人に贈るのか?」と聞いてみた。彼はニッコリ答えた。「今日はバースディなんだ。」
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まるでハリウッドで撮った戦争映画に出てくるひとこまだ。トム・ハンクスでも出てきそうな。「戦場に花」「兵士の恋」。でも銃は本物。その銃を、今、あの彼は撃っているんだろうか?どんな気持ちで・・・?
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- こんな「寄り道」をしてしまうから、私は「何が何でもイスラエルが悪い!」とか、言えなくなってしまうんだよなあ。
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