EL CONOCER(知るということ)
はじめてペルーに行く時、友達に聞きました
「ペルーのどこを見たらいい?」
「いっぱいある…マチュピチュ、クスコ、ナスカ…」
「私はペルーを知りたい」
友達は少し間をおいて、はっきりと答えた
「リマ」
時間なくてリマを全部は歩き回れなかったけど、ザッと見ても、警備員のいるような立派なお屋敷から、掘建て小屋まで、本当にいろんな顔をもった所だと驚き、同時にそれがペルーそのもののような気がしました。
「プエブロ・ホーベン」直訳すると「若い村」農村の人々が働き口を求めて首都にやって来たはいいが…そうしてリマ周辺に掘建て小屋を建てて暮らす人々がどんどん増えて、小高い丘を被い尽くすほどになっている。東京で言ったら、新宿区の隣に「段ボール区」ができてしまったような所。ここを描くことは、私の課題でした。
「明るく楽しくあったかいアート」をふだん描いているので、単なるちっちゃいかわいい家がならんでいる、みたいに誤解をうけてしまうのでは?もちろんそこに住む人が一日中しかめっつらをして暮らしているわけでなく、笑ったり踊ったり洗濯したり、生活しているのですが、プエブロ・ホーベンのひびきは私にズシッと来ているので、それを描きたかったのです。
描き終わって友達に見せると
「何これ爆撃の跡?」
「プエブロ・ホーベンだよ」
「そこまでひどくないよ〜。だって人が住んでないみたいじゃん」
うーむ。私の課題はまだ終わらない。
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