- 石版画工房日記-2
- サインを入れる
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- 2010.10.8.
- かなり大事なことなのに説明しわすれていた。
- 絵は完成したら必ず作者のサインを入れなければならない。
- サインは別にどこに入れても良いが、一般的に右下に入っている。
- 版画の場合、制作年を入れることも多い。
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- また、版画は、サインの他に「エディション」を入れる。
- エディションというのは、同じ版画が全部で何枚あるかを示す。
- 「限定部数」ですね。
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- 「1/8」というのは1月8日という意味ではもちろんなくて、
- 8分の1、つまり8枚あるうちの1枚目、という意味だが、
- 別に1枚目が良いとか8枚目が悪いとかいう意味ではなく、
- 8枚まったく同じ版画がある中の、便宜上の1番。
- どっちから売るかは自由だが、1番から売るよ〜とか決めておけば、
- 「あと何枚売れ残ってる」かが解って便利。
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- 「1/8」は8枚、と書いたが通常その他に、何枚か自分用のを取っておく。
- それが「A.P.」とか「E.A.」とかいう記号で、
- 「A.P.」は英語で「Artist Proof」
- 「E.A.」はそのフランス語「Epreuve de Artist」
- アーチスト保存用という意味です。
- 「E.E.」紙を変えたり手を加えたりしたので本刷りと違う物
- 「H.C.」非売品、プレゼントなど
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- ↑例
- A エディション
- A' アーチスト保存用という意味の記号
- B 作家名
- (他に、絵のタイトルを書くこともある)
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- 版画は原画の制作者以外の人が刷る事もあるし(偉い人はほとんど皆)
- 色々こまかい情報を記載して偽造防止なんかに役立つのではないだろうか。
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- たまに上記の「A.P.」や「H.C.」って書いた版画が売ってたりするんだけども、
- まあ、作家が死んで家族が手放す、または自分で要らないから手放す、
- 要らないわけでもないけど、とくに気にせず売っちゃった、等
- そういう事が『本物であるならば』有りなんだけど・・・
- ヘタするとサインごと印刷されてたりするのよね〜
- いや「A.P.」に限らないけどさ。
- 例えば極端な話「1/8」が200枚世の中にあるとか?
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- サインはたいてい鉛筆で書く。
- ボールペンとかだと擦れたりしみ込んだりして紙を汚すことがあるし、
- 師匠の話では鉛筆は筆圧があるから、消しても跡が残る、とのこと。
- 俺の買った版画は印刷じゃねえべか?
- そんな時はサインを消しゴムで消してみるといいかも?
- 消えたら本物、消えなかったら印刷。
- まあ、なかなか勇気要りますけれども。
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- 「石っとこ」の方にもこういうの書かなきゃな〜
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