- 〜日記のようなコーナー〜
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- 初ドライスーツで気分はゴレンジャー、動きはペンギン・・・
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- 2006年3月8日
- 流氷ウオーク
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- 北海道シリーズ3日目。
- 朝、「流氷ウォークやるそうです」との連絡が入る。
私はいまだ半信半疑。
- しかし準備をしなければならないので、もう一度パンフレット類を読み返すと、
- カメラはインストラクターに預ける。その際、水に落とす恐れがあるから
- 写るンですにしてくれ、とある。急いで近所のコンビニまで走る。
- 夕べ一晩中降っていて道は真っ白、さらに降り続いている。風も冷たい。
- 服の上に「ドライスーツ」というのを着るらしいが、
- 着たことが無いのでどんなものかわからず、服をめいっぱい着込んで待つ。
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- インストラクターの人が車で迎えに来る。
- 事務所に着いてまず、万一の事故に備えて連絡先を書かされ、
- 寒いですよ〜寒いですよ〜〜と、ひたすら脅かされる。
- 後で考えると、そのくらい脅かしておかないと、
- 素人はすぐ調子こいて勝手な行動をとりかねないのだろう。
- とくにグループで大人数になったら手に負えないかもしれない。
- しかし我々は40越えた大人であるし、すでにかなりビビッている。
- もうそれ以上脅かすのはやめてくれ。
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- 初めてドライスーツを着る。めいっぱい着込んできた服は、
- 着すぎ!と言われ上着は脱いでセーターまでに留める。
- タイヤチューブみたいなのの中に身体をねじ込んでいく。
- キツい、重い、夫は着るだけですでに息を切らし汗だくになっている。
- なんとか着せてもらって(自分ひとりではとても着られない)
- 記念撮影したり、全身鏡に映したり。
- こういうゴワゴワしたものを着るとなぜか強くなったような気分になる。
- これだから、調子こく奴だっているに違いない。
- 「これ着てると転んでも痛くなさそうですよね」と言うと、
- 「いえ、痛いです。」とインストラクターのエンドウさん。
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- いよいよ海に行く。車に乗り込んだと思ったら、すぐ着いた。
- 湾の中に入り込んだ流氷の、たまり場のようなところがあった。
- 聞くと今年は本当に暖かくて、流氷の一個一個の大きさも小さく、
- 一面真っ白になり灯台の向こうまで歩いて行けるような日はほんの数日だったそうだ。
- よく見ると、大きな一枚岩のように見える氷も、
- 小さなかけらが重なり合い寒さで再びくっついたものだ。
- しかし厚みもあって、エンドウさんと夫と、3人で乗ってもビクともしない。
- いくつか大型の流氷を渡りながら岸から離れていくと、
- 「では、海に入ってみましょう。」
- おいおい、ウオークじゃないんかい?スイミングかい?
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- 覚悟を決めて海に入る。全然冷たくないぞぅ!ただ水圧で締めつけられて窮屈だ。
- 水の中から頭だけ出して見ると、流氷が隙間なく有るようにも見える。
- 「では、転んで起きる練習をしましょう。」
- 仰向けにひっくりかえって手足を投げ出してプカプカ浮く。
- 面白いぐらい浮くが、なかなか起き上がれない。
- せ〜の!で両手で水をかきながらお尻を後ろに突き出すようにして立ち上がる。
- ようやくコツをつかんだところで、水中メガネを借りて海の中を見る。
- クリオネがいるかも、ウニがいるかも、と言うが、藻しか見えなかった。
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- 流氷に乗ったり降りたりひっくり返したりして遊ぶが、
- 手足の先が冷たくなってきたし、顔面に雪が当たって痛い。もう帰りたいと言うと、
- 「まだ時間が早いですが・・・しかし天気も悪いことだし、戻りますか。」
- 1時間と決まっているので、通常は早いと文句を言われてしまうのだろう。でももう充分である。
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- 事務所に戻ってドライスーツを脱がせてもらう。
- 急に血流が良くなったような気がする。あっという間に温かくなった。
- インストラクターの皆さんは、本業は漁師さんなのだそうだ。
- 確かに、船の出せない冬の間の仕事、良いアイデアである。
- 流氷が去って海明け宣言があったので、近日中に漁師の仕事に戻るそうだ。
- 「血が騒ぐんじゃないですか?」と聞くと、
- 「騒がない、騒がない。」
- エンドウさんはツッコミの名人だった。
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