12.高原列車
1998.8.3.更新
6月26日(金)旅行5日目

午前8時発の列車でクスコから
チチカカ湖畔の町・プーノに向かう。
ここで、お世話になったガイドのアレックスとお別れ。
10時間30分の高原列車の旅が始まった。

クスコからプーノまでは、距離にして385キロメートル。
途中ラ・ラヤという駅が、海抜4319メートルで
クスコ〜プーノ間で、最も高い。
だいたい1時間〜1時間半ほど走っては駅に停まる。
停車時間は、10分〜30分ぐらい。

最高所の駅、ラ・ラヤのひとつ先のサンタ・ロサ駅にて
30分ほど停車していたので歩きまわれた。
ちなみに、プラットホームなんてものはない。
ただ「サンタ・ロサ」の看板のある小さな駅舎があるだけ。

行商の女性。
なにを売っていたかというと・・・忘れた。

空気が乾燥しているためミネラル・ウオーターは必携品。
ちなみに、炭酸入りの「コン・ガス」と
炭酸の入っていない「シン・ガス」の2種類がある。
写真は、
試しに「コン・ガス」を買ってみたのだが、
あまりのまずさに
オレンジをしぼって
炭酸オレンジジュースを作っているところ。

昼ごろになると食事がくばられる。
朝、クスコを出てすぐに昼食のオーダーをとりに来るのだ。
チキン半身の空揚げ、フライドポテト、サラダ、
パサパサライスにパサパサみかん。
チキンは、おいしかったけど、あとは???

アヤビリ駅で、3人のフォルクローレ少年を発見!
カズちゃんと僕が、列車をおりて聴きに行った。
素朴な演奏と歌。
2曲目は「花祭り」だ!
と、
ガッタン!
列車が、大きな音をたてて急に動き出したのだ。
カズちゃんと僕はあわてて
列車の入り口のはしごにかけ寄り、飛び乗った。
「よかった〜」
しばらく、心臓がドキドキしていたのをおぼえている。
それまで車窓から見えていた、
ただひたすら広い高原ばかりの景色が
フリアカ駅に近付くと一変する。
クスコをでて初めての大きな町らしい。
そして、
窓のカーテンを閉めて列車の中が見えないようにしろと
指示が飛ぶ。
金持ちの旅行者をねたんで
石を投げつけたりする者がいるのだそうだ。
照明を消して薄暗くなった車内で、
さっきまでの騒がしさがウソのように
乗客たちは、押し黙ったまま下を向いている。
そんな、緊張のなか、
列車は、フリアカ駅に到着した。
カーテン越しに外を見ると
なんとこの駅は、
ホームや駅舎が鉄格子で仕切られているではないか!
まさに列車強奪から守るためのものとしか思えない。
今回の旅でいちばん恐怖を感じた時といえば、
まさにこの時だ。
15分ほどの停車ののち
列車は、無事ゆっくりと走り出した。
この列車の旅では、
今まで元気いっぱいだった協子ちゃんがやられた。
高山病か、乗り物酔いか、
旅の疲れからくる複合的なものかわからないが、
後半は、ずっと辛そうな顔をしていた。
午後6時、プーノ駅着。
あたりは、まっ暗。
ガイドのアルシデスさんの迎えのバスで
「Hotel Isla Esteves(ホテル・イスラ・エステベス)」へ。
午後6時30分、ホテル着。
部屋でひと休みしたあと、
具合の悪い協子ちゃんを除いた3人で、
ホテルのレストランで食事をした。
僕は、あまりお腹が空いていなかったが、
夜中に腹ぺこで目がさめて
眠れないんじゃ困ると思って、
軽くスパゲティ・ミートソースを食べた。
これが、いけなかった。
この後、僕は地獄の苦しみを味わうことになる。