2009年イイヅカ・サトコ石版画復活への道-20
カラーリト(多色刷り)その5

             
2009.11.11.
多色刷り(大)の3版目
多色刷り(小)の2版目(切り株も入れたら3版目)
(小)のほうは翌日刷った。
あと何版刷るかは未定。
          
          
*もちろん、それぞれの版づくりの前には「石磨き」「角落とし」等、
下準備がいちいちある。石版画を「やってみたけど、面倒だからやめた」
という人の多くは、その作業にうんざりだという。
習慣になってしまえば、その作業をしながら次の版の計画を練る人とか、
石磨きの最中は無心になる人とか、石磨きそのものを楽しむ人とか、
それぞれ色々な過ごし方をしている。
        
ちなみに、T先輩の工房では「石磨き等の下準備済みの石」を、
使わせてもらえるらしい。(別途料金かかります)
より手軽に(体力温存)石版画を体験したい方におすすめです。
             
*それから、刷りや製版の最中で、一番やっかいなのは
「汚れ」の問題ではないだろうか?
汚れの原因には、それぞれの段階で様々あるので、
「汚れはこうやって防げ」とは言えない。
こちらも慣れで「この段階でのこの汚れにはこう対処・・・してみたら?」
ってかんじで、試しながらおぼえるしかない。
         
↓版が乾いてしまったり、角落としが充分でない時にインクが付く
↓まれに、下絵をトレースした時のセロテープの跡が版になってしまう
上記ふたつの例は、(1)台所スポンジで擦れば取れる場合もあるし、
さらに(2)浮石棒で削る、(3)H液で拭き取る、(4)硝酸で焼く、
など、(1)〜(4)だんだんハードな手段を使うことになる。
ハードすぎて、絵にかかると消えてしまうので注意。
             
絵の中が汚れた場合、石の縁と違って、汚れ落としに注意が必要。
汚れの原因は、水気が足りない、逆に水気が多すぎ、
ローラーの転がし方が遅い、製版が弱い、など色々あって、
最悪もう一度製版しなおした方が良い場合もある。
これも見て判断するしかないのだが・・・
         

             
2009.11.17.
多色刷り・大の3版目(深緑)
↓試し刷り
↓刷り上がり
完成まであと何版重ねるかは未定。
         
               
*理論的には、
普通のカラー印刷(オフセット印刷)と同じように、
アカ・キ・アオの3色ですべての色が出せる。
たとえば色鉛筆3本しか持ってなくて、
ピンク色を出したい時はアカをうすく塗る。
ミドリ色にしたい時はキイロとアオを重ねる。
それと同じ事を版画や印刷でやる事を「色分解」という。
                    
でも、べつに自分は機械になりたいわけじゃないし、
ガツン!とピンク色を出したい時には、
ピンクのインクをベタで刷っちゃえばいいのである。
(ピンクだって色々あるし、さらに白と赤のインクを、
 気に入るまで足して混ぜれば良い)
           

次を見る
前にもどる
「石版画について」にもどる